キリギリス


 降り始めの雪は地上に到着した時、融けて流れる。

「地上を冷やす」ことが「使命」なのだ。

その後、地面に「薄い氷」ができ、雪が積もりだす。

 表面の「雪」だけが人々から「綺麗だ」と言われる。

先に降った「雪」がそれぞれの使命を果たし、ようやく「雪が積もる」のだ。一番下の雪は「泥だらけ」である。

 

 成功した「ビジネス」は最初から認められていない。成功までに、どれだけの「無駄・犠牲」があっただろう。

「非難」に耐えながら「小さな芽」を育てていく。

筆者の「仕事」の多くは「逆風」から始まっている。 「誰も受け取らない仕事」ばかりが回ってくる。

自分自身も周囲も「うまくいく。成功する」とは到底思っていなかった。

 

「やるっきゃナイ・・・」 (筆者/心の叫び)

来る日も来る日も、コツコツと・・・

 

「お前、毎日お客さんの所へ行って何をやっているんだ」 (某氏)

 

お客様も最初は非協力的だったが、全貌が見えだすと、態度が一変。

そしてある日、マスコミが筆者に注目したのである。

 

「いいじゃないか!」 (某氏)

「これからのビジネスはこれだ!」 (某氏)

 

「あれ?」 (筆者/心の叫び)

 

周囲がどんどん絡んでくる。

「何か出来る事はない?」

「話が違う∃」(筆者/心の叫び)

 

 馬鹿のひとつ覚えで「選択と集中」と言うが、

ちょっと前まで「やめろ!」と言い続けた「ビジネス」を今度は「ヤレー!」と言いだしたのだ。

後付けの「評論・決断」ばかり・・・ 周囲は感動も評価もしない。

それより、後の「心変わり」を恐れている。

ちょっと前まで「ヤレ一!」と言っていた「ビジネス」を今度は「やめろ!」と言いかねない。

 

「種まき用の隠し予算」をむしり取り「利益計上」して、昨年より「増益になりました!」と得意顔になっている御仁を何人もみている。

数年後は、御仁にとって「どうでもいいのだ」

御仁が去ったあとの「田んぼ(マーケット・企画) 」は、ぺんぺん草も生えなくなっている。

 

そして、また「長期的展望・戦略が重要だ」と誰かが言い出す。

 

「よく分からないけどこれは面白そうだ。やってみましょう!」 (筆者)

「そんな事やって何になるんだ」(某氏)

 

また「逆風」からの始まりである。もう「免疫」が出来ている。

 

周囲は「短絡的な物の見方」 「手っ取り早い利益追求」に走り、物をじっくり作らなくなってきている。

「管理と数字」のみに「集中」している。

 

「アリとキリギリス」に登場する「キリギリス」にならなければいいが・・・