青
ふとしたことから「漢字の成立」を調べたことがある。
その時からすっかり魅せられてしまった。
論理的であり「多くの大天才」と「長い年月」が作り上げたに違いない。
「青」というと「青い空」「青い海」「信号の青」を思い浮かべる。
一方「青二才」とか「お尻が青い」とも言う。
「青」は「生」と「丼」(ドンブリではなく、井の中に「・」が入った字)から成り立っている。
したがって「生」と同じく「セイ」と発音する。
「生」は生まれることから「汚れていないこと」の意味である。
「丼」は井戸を覗いて「・」が見えるくらい「澄んでいること」を意味している。
「・」はお酒を鑑定する時に使用するお猪口の中の底にある「◎マーク」である。
この二つの字を合成していることから「汚れていなく澄んでいること」を意味することになる。
「青い」は「未熟」を表すことにもなる。
この「青」に「偏」を合成してみよう。
「水が汚れていない」→「清」
「お日様がきれい」→「晴」
「争いが無くなる」→「静」
「お米をきれいにする」→「精」
「嘘のない言葉」→「請」
「キラキラきれいな魚」→「鯖」
「落ちついている」→「靖」
「澄んでいる心」→「情」
「偏」と「つくり」が合体して、とてもうまく意味を表している。
生物の始まりである季節「春」は「青春」
「秋」は「白秋」(北原白秋はこれからとっている)
大相撲の土俵の上に設けられたつり屋根の四隅にある「青房」「赤房」「白房」「黒房」は四季を表している。
この理屈をどうしても「システム論」に置き換えたくなる。
「つくり」を「コンピュータ技術」「システムエンジニア」とすると「偏」は「業界」「お客様」である。
「受注管理システム」という「つくり」は「業界」「お客様」の「偏」と合成され「○○受注管理システム」が出来る。
「つくり」だけでは今一つだ。
多くのシステムは「偏」「つくり」から成り立っていない。
「一匹狼風文字」を作っている。
したがって「新システム」「システム再構築」の作業は常に「新規作成」である。
過去のシステム資産は「再使用」されない。
現在のシステム構築論は「組立性」ばかりが論議され「分解性」は聞いたことがない。
「組立やすさ」と「分解しやすさ」は全く別物である。
いつまでたってもお客様から「費用が高い!」と言われ続ける。
作り手はそれでいいのかもしれないが…
昔、家を建て直す時、柱や板は再使用された。
システムの世界ではあり得ないのだろうか?
以前作られたシステムの一部が他システムでそっくり有効利用された話は、お目にかかっていない。
数種類の「字」を組み合わせて新しい「漢字」が作られるように、システムの世界でもその基本になる「字」(部品化)が求められている。
しかも、分解すると「再使用できる部品」である。
「パッケージ」のマイナーチェンジ対応や「汎用モジュール」「組込関数」レベルの話ではない。
「システムの分解性」の研究が必要だ。
表面は「新品」でも中身は全て「中古品」!
システムの「新品」「中古品」の区別は誰にも出来ない!
「偏」だけを変えて新しい「文字」が出来るような「うまい話」はないのだろうか?
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