ガンバル菌


 「今日も一日頑張りましょう!」(朝礼)

「元気?忙しい?頑張っている?」(知人と会った時)

「もっとガンバレ!」(上司が部下に向かって)

1日に何度も「ガンバル」という言葉が耳に入ってくる。

「ガンバル菌」がその言葉を言わせている。

 プロジェクトの活性化酵素(元気の素)として「ガンバル菌」は必要不可欠である。

ところが、人々は「ガンバル菌」に「善玉菌」と「悪玉菌」がいることを知らない。

全て「善玉菌」だと思っている。

「善玉菌」が増殖すると、いくつかの「善玉菌」同士が結びつき突然「悪玉菌」になる。

「悪玉菌」は表面的には「善玉菌」に見えるのだから「たち」が悪い。

 「頑張る」の語源は「我を張る」からきている。

両手に紙袋を持って電車に乗って来た「オバン」。

座っている人々の間にわずかな隙間を発見する。

即座に大きなお尻を車庫入れの如くゴリゴリとねじりこんでいく。

数分後、しっかりと座席を確保して「イビキ」をかいて寝ているではないか。

「恥」も「外聞」もないこの行動こそが「ガンバル」の語源である。

「実行不可能な作業スケジュールの立案」

「具体的指示の欠けた『ガンバレ』連呼」

「ガンバリズムによる楽観主義的問題解決案」

これらは「悪玉菌」の仕業である。

 プロ野球の二軍選手は、一軍選手より数倍ガンバっている。

結果が出ないと「ガンバっていない」と言われ、結果が出れば「ガンバった」と言われる。

「ガンバル」と「結果」は別物なのに…

どんなに逆立ちしても「出来ないものは出来ない」ことがある。

にも拘わらず「ガンバれば何とかなる」とよく言う。

よく分かっていない人に限ってこう発言する。

 

無理させてまだまだ出来ると無理を言い(筆者の格言)

 

あ~あ、やっていられない!

 三十歳以上の人々の「徹夜」は翌日から三日間を無駄にする。

分かっちゃいるけど、ついつい「ガンバって」しまう。

無理したことで体調を崩せば、結果的には周りに大きな迷惑をかけることになる。

自己犠牲的「ガンバリ」で達成されるスケジュールは「いいスケジュール」とは言えない。

一体、誰が喜ぶのか?

ひとつの歯車が外れると、全てが一気に「ガタガタ」と…

うまくいくこと自体が「奇跡?」

でなければ「虚偽の報告」に違いない。

「善玉ガンバル菌」の数はほどほどにしておかなければならない。

これは「定説」ではなくて「我説?」である。

あれ~?アラ~?

またガンバってしまった。

 

「悪玉ガンバル菌」が増えてきたようだ。