ミスから出たミス


 巷では、システムの「ミス」を何とか未然に防ごうと躍起になっている。

筆者も過去に多くの「ミス」を犯したが、まだ「首」がつながっている。

それは、本当の事を他人に報告していないからである。

誰が言うものか!

「墓場」迄「TAKEOUT!」

筆者のみならず「正直に報告を受けた人」もその「判断」「処理」に苦しむことになる。

だから何事もなかったように「闇」から「闇」へ…

時には「ミス」だと思い込む「ミス」なんかして…

 筆者の経験から独善的に「ミス」を大別してみたい。

決して学問的でないことを予め言っておく。

 

1 原票記入ミス

 

金額の記入ミスが典型的である。

責任の所在は基本的にお客様にある。

システム開発担当者には文句が来ない。

 

2 指示ミス

 

作業指示の間違いで「指示書」の記入ミスがある。

現場の責任者が責められる。

システム開発担当者には文句が来ない。

 

3 入力ミス

 

単純にオペレータのミス。

「ケタずれ」等がある。

システム開発担当者には文句が来ない。

 

4 関連チェックミス

 

上記の「原票記入ミス」「指示ミス」「入力ミス」の中には「システムチェック」で未然に防ぐことが出来るものもある。

お客様は「チェックできた筈だ!」とシステム開発担当者に「責任転嫁」することがある。

結局「今後気を付けます!」なんて言ったりして(本人は納得していないが)

 

5 計算処理ミス

 

どうもみても、悪いのはシステム開発担当者。

「高級菓子」「上司」といっしょに頭を下げに行く。

時には「始末書」なんか持参して…

 

6 印刷ミス

 

「欠け字」「化け字」「フォントミス」「帳票の使用ミス(色違い・表示年度違い)」等がある。

受託処理の場合は大問題になる。

「ハガキ」「通知書」等が個人宅に届いてしまった時には「大火」になる。

 

 ここまではミスの「原因」「責任」は明確に議論できる。

ここに、もうひとつ厄介な「ミス」が付け加わる。

それは「リカバリー処理ミス」である。

そもそも「リカバリー」という言葉自身が公の場で「認知」されていない。

言い方によっては、システム全体の品質が疑われるからだ。

「営業」「おエラ方」は、

「このシステムはリカバリー処理をするような事は絶対ない!」

と根拠のない「ハッタリ」でお客様に強調!

したがって「リカバリー処理」の「見積」はされたことがない。

「ミス発生」は「何時」「何処」で起きるか分からない。

「リカバリー処理」は「ミス発生時」のみに行われる。

その為「一発勝負」「徹夜」で行われることになり「ミス」が発生する確率は非常に高い。

 「リカバリー処理」そのものが「裏舞台」であり「リカバリー処理ミス」は「裏舞台の舞台裏」である。

「リカバリー処理ミス」の修復は、必ずしも「論理的」に行われない。

時には修復不可能な為に「正しい出力結果」そのものの値を直接入力したり、人海戦術のオンパレード。(これは筆者だけの経験だろうか)

 周囲の人々には何をやっているのか全く分からない。

スタッフが「キチンとした説明」もせずにひたすら「もくもく」とやっているとしたら、ほとんど「リカバリー処理ミスの修復作業」である。

この手の報告には「中間報告」はなく「最終結果報告」のみになり「リカバリー処理ミス」という言葉は何処にも見つからない。

 

 そして、忘れかけた頃「リカバリー処理ミス」の「残骸」が突然発見される。