最初の書面
筆者の「字」は「大きく」「汚い」。
一度見たら忘れない「字」らしい。
したがって「ワープロ」が世に出た時は感激した。
内容がないのに「立派な文章」のように見えてくる。
若い頃、大した「書面」でもないのに何回も書き直させられたことがある。
半端な回数ではない。
その時「ワープロ」はなかった。
「字」が大きい!
文章の先頭に「空白」を入れろ!
「ます/です」を「ある」に書き換えろ!
「前後の文章」をチェンジしろ!
「形容詞」「副詞」を変更しろ!
論理的に反論すると、さらに文章は変更された。
「これじゃみんなに理解されないよ!」(上司)
「何を言うか!あんただけがわからないんだろうが!」(筆者/心の叫び)
「やりとり」を重ねるにしたがって、上司はだんだん「書面」の「意味」「内容」を理解してくる。
すると、また文章が変更される。
「自分語」に書き直さないと気がすまない。
仕事を知らない人ほど「書面」を書き換える。
すでに「文章のイメージ」が頭の中にあって「書面」の内容と照合しているのではない。
書き換えられたものをみて、そこから考える。
したがって、さらに「『直せ』といわれた箇所」は、実は当人がちょっと前に「『変えろ』と言った箇所」だったりする。
当人は当然憶えていない。
でなければ「意地」で認めないかのどちらかだ。
筆者も「意地」になる。
「意味は同じではないですか!」(筆者)
「いや、ちがう!ニュアンスがチョットちがう!」(上司)
「そんなの外では通用しませんよ!」(筆者/心の叫び)
「書面を直す」ことが上司として「アピール」できる唯一の「チャンス」と思い込んでいる。
「もっと他にやることがあるだろうが…」(筆者/心の叫び)
文章全体の「流れ」「構成」がだんだんおかしくなっていく。
「そう直すならこうした方がいいですよ」(筆者)
「上司の修正箇所」を筆者が「修正」しようとする。
素直に直さないので上司から嫌われる。
ついに、
「ガタガタ言わずにとにかく黙って直せ!」(上司/大声で怒鳴る)
それでも「黙って直す」ことをしないので「雰囲気」は「最悪」になる。
「字体」は段々いじけて、己の「字」でなくなってくる。(ぐじゃぐじゃ)
やっとのことで「書面」が「承認」され「上司の上司」に見せると、また直される。
「前後の文章」をチェンジ!
「まどろっこしい!」と文章を大幅に削除!
そこには「直属の上司」は同席していない。
「何で私が直すんですか!」(筆者/心の叫び)
「二人で直接やりあえばいいじゃないか!」(筆者/心の叫び)
「いい加減にしろ~!」
「最終の書面」の文章は「最初の書面」と「ほぼ同一」であった。
あ~あ「最初の書面」を残しておけばよかった!
皆様に申し上げます。
この「原稿」に対する「添削」は切に切に…ご遠慮願います!
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