ナンバー1とオンリー1


 ややもすると、企業の経営戦略論は常に同業他社との「競争」「比較論」に終始する傾向が強い。

そして、業界でのランキングが企業の「絶対的評価」と考え、

ただひたすら「右肩上がり」の直線を引いては「あ~だ、こ~だ」と激論を戦わしている。

行為そのものを否定しないが、それが全てなのだろうか?

ただ「売上増」「利益増」だけに目がいっていないだろうか?

その論理だと、間違いなく前年対比が議論の中心になり、実現不可能な目標設定に対して精神論で「ガンバレ」なんて…

まったく戦時中の論理と似た展開である。

儲からないのならやめるのは当然の話であるが、必ずしもそれだけなのだろうか?

最初から「黒字」だと分かっているのなら判断もいらない。

「赤字」であればやらないのなら、ほとんどの仕事がスタートしない。

このビジネス(仕事)を「どのように位置付けるのかという議論」がとても重要である。

携わっている人々も同一認識になっていない。

「この会社」「この人」にしか出来ない「仕事」というのは存在出来ないのだろうか?

この手のビジネスは必ずしも「大きな利益」を生むことにはならないが「存在」そのものが「顧客サービス」にならないだろうか?

 軍隊でも色々な部隊があり「大隊」もあれば「小隊」もある。

「司令部」もあれば「諜報部」もある。

これらが、国の勝利というひとつの目的の為にそれぞれの役割分担を果たしている。

当然、その部隊の長はこの道一筋、誰よりも「部隊の動かし方」を熟知している。

「陸軍の大隊長」が「諜報部長」が勤まるわけがない。

ましてや、諜報部員は他の部隊では使い物にならない。

 こう言えば当たり前のように聞こえるが、現実は全く違う。

全て陸軍大隊にしているように見える。

人数の多少に関係なく命令はワンパターン。

ただひたすら「進め!」

「なに?人が足りない?」

「片っ端から集めろ!」

「頭数が揃えば何とかなる!」

 

今集めたところで、もう遅い。

かえって混乱を増幅させるだけである。

火事はボヤの時こそバケツの水で消火できる。

その後はどれだけ水を掛けても無理である。

逃げるのみ!

こりゃ~近づかない方が賢明だ。

先が見えている。

前々から「危ないですよ!」と言っているのに全然耳を貸さず、現実になったら

「何でもっと早く言わないんだ!」

「お前が悪い!」

と責められる。

 「無駄」は全て「無益」とは限らない。

「有益な無駄」がある。言い方を変えれば、次の「ビジネスの種」である。

野菜のように二ヶ月位ですぐに出来あがるものもあれば「桃栗三年柿八年」のように待たないと実が出来ないものもある。

「パイオニア」であるからこその「優位性」。

これが「オンリー1ビジネス」と言える。

今の企業のビジネスには「どこかのコピー」が多い。

そして、ひたすら「価格競争」に終始している。

「オンリー1ビジネス」に「価格競争」は存在しない。

長年付き合っている主治医に「価格」は問題外である。

お客様のシステムに「主治医」はいらないのだろうか?

 

「病人にさせないビジネス」があると考えている。